
あまん きみこ 岩崎 ちひろ
やさしいおにの子おにたの、ちょっとせつない節分の日のおはなしです。

節分の夜のこと。
どのうちからもまめをまく音がして、おにの子のおにたは、いくところがありません。
「にんげんっておかしいな。おにはわるいって、きめているんだから。おににもいろいろあるのにな。にんげんも、いろいろいるみたいに。」
つのをかくす古いむぎわらぼうしをかぶって、まちを歩いていくと、まめのにおいのしない家に、おんなのことおかあさんが住んでいて・・・
節分に関係する絵本を探していて、こちらを見つけました。
やさしく幻想的ないわさきちひろさんの絵にやられて、私が気に入って購入しました。
結論から言うと、3歳の息子にはまだ少し内容が難しかったらしく、あまり気に入ってはもらえませんでしたが、とてもせつないいいお話なので、もう少し大きくなってからまた改めて読んであげようと思います。
その時はきっと気に入ってくれるといいな。
貧しい家に病気のおかあさんと女の子、そしてそれを天井の梁の上から見ているおにた。
病気のおかあさんは、女の子に「お腹がすいてないかい?」と心配します。
女の子は、おかあさんを心配させないようにと「さっき食べたよ」と嘘をつきます。
おにたは、女の子を喜ばせようと本当に食べ物を持ってきてあげます。
みんなやさしくて思いやりに溢れています。
それなのに、女の子の「まめまきしたいな・・・」という言葉で悲しみにくれるおにた。
豆まきをされると出て行かなければならないのに、それでも女の子のために豆を残して消えてしまいます。
残った黒い豆は少し温かい・・・。
おにたが豆になってしまったのか?豆を残してまたどこかへ消えてしまったのか?
真相はわからず余韻を残した終わり方です。
「おにだって、いろいろあるのに。おにだって・・・」
おにたのセリフが、素敵な絵と相まって心に染みます。
人間も、外見に惑わされずにしっかり内面を見ろということなのかな?
やさしくて、せつなくて、悲しくて、心に残るお話。
毎年節分の頃にはぜひ読みたい本です。
おにたのぼうし